1976年11月26日に、EMI から発売された1枚のシングルレコード「Anarchy in the UK」。これは Sex Pistols のメジャーデビュー1作目のレコードになる。
不況にあえぎ苦しんでいた当時のロンドンには閉塞感が漂っていて、ロンドンのキングス・ロード辺りにはバッドボーイズたちがたむろしていた。
そのキングス・ロードには、ニューヨーク・ドールズのマネージャーをしていたマルコム・マクラーレンが SEX というブティックを経営、その店の常連だった不良少年たちに目をつけてバンドを結成、貸しスタジオで練習をさせ Sex Pistols という名前でライブデビューをさせる。そして、彼は Sex Pistols のマネージャー、いや稀代のロックンロールペテン師としてロックビジネスに身を染めていく。
やつのやり方はいつも狡猾だった。騒ぎを起こしては人の目を集めるだけ。警察に連行されることも全て計算された演出だ。多くのパンク少年が目の敵にしていた「 The Beatles 」のことが好きだと公言しただけで、初代ベーシストのグレン・マトロックをクビ。そして、ベースもろくに弾くことのできないコカイン中毒のシド・ヴィシャスを加入させる。そんないい加減さだった。
だから、それまで主流であった演奏の難しいロックは全て否定する。パンクは簡単なコード進行やリフ、そして反体制的な歌詞、斬新すぎるファッションや規律を生み出し、それが多くの若者に支持される。そして、ビジネスとしても世界的に広まっていくことになる。
不良少年の文化だったパンク、一人の詐欺師が作り上げた幻想とも言えるクソッタレな文化を、大英図書館やロンドン博物館、ロンドン市長などがサポートするんだぜ。市長様がだ。
パンクムーブメンという、ションベン臭くツバにまみれた裏ストリートの精神も、40年も経つと、メインストリームの連中の懐かしい思い出と臭いにしてしまうらしい。そんな中でマフィンを一口召し上がって、紅茶でも飲みながらパンクを語るのか?とても能天気でありがたい連中だ。そんな連中は持ってる金を全て出せばいい。そうだ、全てをだ。
そして、なんといっても、笑えるのがあれだけ Sex Pistols にコケにされたイギリスの女王陛下が、このイベントにコメントを出しているらしい(私は見つけられなかったので、見つけた人がいたら教えて欲しい)。さすが史上最強のコメディ国家イギリスだ。モンティ・パイソンとクソッタレな外交姿勢、そしてバーで出す黒ビールとフィッシュアンドチップスだけで21世紀に生き残ってる奇跡的な先進国だ。大いにクソッタレを祝ってやろうではないか。
ところで、報道によりと Sex Pistols のマネージャーだったマルコム・マクラーレンの息子ジョー・コーレがこのイベントに抗議をしているらしい。
マルコム・マクラーレンの息子 ロンドン・パンク40周年イベントへの抗議のため8億円のパンク・コレクションを燃やすイベントを開催
「いまやオルタナティヴ・カルチャーやパンク・カルチャーの議論はメインストリームに占領されてしまっている。パンクはもはや変化のためのムーヴメントではなくなっていて、いまいましい博物館の展示品みたいなものに成り果ててしまった」
とほざいてるらしい。パンクなんて語るもんじゃない。あれだけ粋がって喧嘩ばかりしていたしていた4人組の坊主たちは、今でも再結成をしては出稼ぎをしに世界ツアーをやりやがるんだ。どうせ予定調和だろ?だから、勝手にやればいいんだ。いいか、クソッタレ野郎ら、耳かっぽじって聞きやがれ。
「勝手にしやがれ!!」
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このカードの内容に不適切な表現が多く含まれますが、パンクの精神なんてものはこんなものだと諦めてお読みください(笑)。あれから40年も経つんですねぇ…感慨無量。