「安保政策 ゆがみ象徴」元防衛官僚・柳沢協二さん

神奈川新聞より このかたすばらしいです。 〈私は、どのような世界、どのような国が必要かといえば、そこに暮らす個人が、金持ちでも貧乏でも、学歴があってもなくても、それぞれ自分の目標を持ってそれを実現できるような国、世界であってほしいと思います。(中略)自分も他から強制されない、他を強制しない、そういう世界をどのように作っていくか、それが安全保障の本質だからです〉 ^^^^^^^^ 官邸を退き、安全保障の専門家として講演に招かれる機会が増えても、柳沢協二さん(68)は一線を引き続けてきた。  「主催が『九条の会』なら断る」  全国各地で護憲運動を展開する市民団体、九条の会。「自衛隊は違憲と言われたことがある。それでは話にならない」。内閣官房副長官補として、イラクへの自衛隊派遣で背負った責任と覚悟が、そう言わせたに違いなかった。  かつて、九条の会を「敵」とさえみなしたその人が解散3日後の24日、ふじさわ・九条の会主催の学習会「集団的自衛権=戦争する国?」で熱弁を振るっていた。  「集団的自衛権を行使するか否かの政府判断の範囲は際限なく拡大できる。客観的な歯止めはないに等しい」  平然と言った。「私の話を聞いてくれるなら、どこへでも行く」。危機感が背中を押していた。 ■決まり文句  安倍晋三首相が政権の座に返り咲いて2年、繰り返される決まり文句があった。「政府が総合的に判断する」。7月の国会論戦でも、集団的自衛権を行使する条件を問われた安倍首相はさまざまな条件を説明した後、付け加えた。「ただし、総合的に判断する」  政府はこれまで、自衛権を発動して武力行使ができる要件の一つを「自国が攻撃された場合」と明確に限定していた。安倍政権はしかし、憲法解釈を変更し、他国が攻められた場合でも日本の存立が脅かされるなど明白な危険があれば集団的自衛権を行使し、相手国を攻撃できるようにした。  抱く危惧は議論のあいまいさにある。  「日本の存立を脅かすというのはどんな事態を指すのか。具体的な説明が尽くされていない」  国会審議で具体的なケースが例示されたが、懸念はかえって深まった。  安倍首相は「日米同盟は死活的に重要だ。同盟の関係で起こり得る事態については、(武力行使の)要件に当てはまる可能性は高い」と答弁。中東ペルシャ湾のホルムズ海峡が機雷で封鎖されれば、「かつての石油ショックを上回る可能性はある。死活的な影響も考えられ、(武力行使に当たる)機雷掃海を選択肢として考える必要がある」とした。  これでは日米同盟を脅かす事態も、石油供給が絶たれることも、日本の存立が脅かされることになり得る。柳沢さんは断言する。「日本には半年分の石油備蓄がある。自衛隊員が命を懸けてまで守るべき国益とは思えない。だが、いまの理屈では世界のどこで何が起きようと国の存立が脅かされると解釈できる。国会の承認を得るとしているが、やはり政府の総合的な判断というあいまいなものに委ねられてしまう」 ■「俺に従え」  あいまいさの問題は集団的自衛権の行使容認の議論にとどまらないとも映る。  政府は武器輸出を原則禁止してきたが、ことし4月、国際条約の違反国を除外するなど三つの条件を定めて解禁に踏み切った。対象とする国は「安全保障上密接な国」とされている。「自衛隊が共同訓練をしている国は何十カ国もある。密接な国が明確に定義されていない。政府の判断でいかようにも広げられる」  輸出できる武器の一つは「警戒監視に必要となる装備」とされ、やはりはっきりしていない。「想定されるのはレーダーだろう。船に積んで運用されるので艦船は必要になる。その艦船に武器も載せるのかは分からない。やはり定義はいいかげんだ」  あいまいさはむしろ安倍政権を特徴付けているとさえ思う。「突き詰めると『俺の言っていることは間違いないから、無条件で服従しろ』と言っているようなものだ」 ■望む国家像  柳沢さんは、安倍政権を行き先表示のないバスに例える。  「このバスはブレーキがあまり利かない。そして、行き先が分からないことが、日本にとって一番危険なことだ」  首相は「積極的平和主義」「戦後レジーム(体制)からの脱却」というフレーズを好んで語るが、「なぜ集団的自衛権が必要なのかを議論すればするほど、『そうしたいから、する』という以外に論理的整合性のある答えがない。安倍首相は望ましい国家像や、それを実現するためにどのようなことをしていくかを語らない。都合良く解釈できるあいまいなフレーズを口にするばかりで、安全保障政策の根っこになるはずの国家像がよく分からない」。  目線を原発再稼働や派遣労働拡大といった経済政策に転じてみる。共通しているのは、弱者へのまなざしの欠如ではないか。  「こうした安倍政権らしさを全て詰め込んだのが、集団的自衛権の問題ではないか。紛争に介入すれば、自衛隊員が戦死する危険性が高まり、世界中にいる日本人がテロの対象になり得る。安倍首相は国会でこうしたリスクを認めなかった。国民よりも国家を重視している。だから、国民の痛みに不誠実になってくる」  案じるのは国民の権利よりも国家を守ることを重んじ、戦争をいとわないと考える若者が増えることだ。「頑張っても報われない社会に若者の不満が膨らんでいる。そのはけ口を隣国に求めれば右傾化が進む」  4人の首相に仕えた安全保障のスペシャリストとして、近著「自分で考える集団的自衛権 若者と国家」(青灯社)につづった。  〈私は、どのような世界、どのような国が必要かといえば、そこに暮らす個人が、金持ちでも貧乏でも、学歴があってもなくても、それぞれ自分の目標を持ってそれを実現できるような国、世界であってほしいと思います。(中略)自分も他から強制されない、他を強制しない、そういう世界をどのように作っていくか、それが安全保障の本質だからです〉  やなぎさわ・きょうじ 1946年東京都生まれ。東大法学部を卒業し、70年防衛庁入庁。官房長、防衛研究所所長などを経て2004~09年に小泉純一郎、安倍晋三(第1次)、福田康夫、麻生太郎内閣で内閣官房副長官補を務め、安全保障や危機管理を担当した。 【神奈川新聞】

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